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体罰の禁止

スウェーデンで児童虐待が禁止されたのは1966年である。親法では子供に対する体罰が認められていて、この条項が廃止された。しかしこれでは不十分および不明確であるとして、1979年に親法および刑法の改正が行われた。

なおスウェーデン政府とSave the childrenスウェーデン支部は、2009年に「Aldrig våld - 30 år av svensk lagstiftning mot aga」という報告書を発行し、これは同年「子どもに対する暴力の ない社会をめざして - 体罰を廃止したスウェーデン35年のあゆみ」として日本語で発行されている。

1958年および1979年の体罰禁止論争分析(スウェーデン語)
1958年の学校における体罰禁止については、当時の共産党が反対、その他は賛成。1979年の親の体罰禁止については、穏健党を除いた他の党は禁止に賛成。

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年金受給年齢の引き上げ

 スウェーデンでは、平均寿命の伸びを考慮して年金受給年齢の引き上げが議論されていたが、政府は案に対する各団体の意見を求めることを発表した。この案は6党の合意によるもので、レミスの後に法案が国会に提出される。主な内容は以下である。

2020年
 年金受給のための最低年齢を61歳から62歳まで引き上げる。雇用保障を67歳から68歳まで引き上げる。

2023年
 年金受給のための最低年齢を62歳から63歳まで引き上げる。保障年金を得ることができる年齢を現在の65歳から66歳まで引き上げる。雇用保障を68歳から69歳まで引き上げる。

2026年
 年金受給のための最低年齢を63歳から64歳まで引き上げる。
 保障年金の受給年齢を66歳から67歳まで引き上げる。以降、平均寿命の増加に合わせて標準年齢(riktåldern)という概念が使われ、この標準年齢は新しく社会保険に導入され、およそ平均寿命増加の3分の2が自動的にこの標準年齢に反映される。年金受給に関する年齢および雇用保障年齢はこの概念に適応される。なお生涯での就労年齢が最低44年になる人に関しては、保障年金の受給年齢の引き上げは例外とされる。
 ポイントは標準年齢(riktåldern)という概念を使うことにより、毎回政治的議論を行う必要が無いことである(もちろん法律の数字は毎回国会での決定が必要になると思われるが、基本的な合意は出来ているので毎回の議論は必要ではない)。どの国でも年金受給年齢の引き上げなどは政治的対立を呼ぶ可能性がある。スウェーデンではこのようにして年金額の引き下げと同じように、前もってほぼすべての党が長期的な解決方法に合意して変更を実施に移していくことに特徴がある。

スウェーデンに「サ高住」のようなものはあるか。

 先日、ある人からスウェーデンには「サ高住」のようなものはあるかと質問があった。結論から言うと、存在しない。
 まず、住宅市場において自由に購入あるいは賃貸できる住宅(シニア住宅など)のようなものは存在する。もしホームヘルパーなどが必要になれば、市に申請して市が認めたホームヘルプ業者(市の運営も含む)によって行われる。住宅会社が市の許可を得てホームヘルプを行うのは可能だがあまり聞かない。ただし住宅会社がホームヘルプの一部(窓拭き、清掃)などを行うのは可能であるが、市の認定によるホームヘルプとして行うためには市の条件を満たさなければならない。法律的にはこの様な形態は一般住居におけるホームヘルプ(社会サービス法による決定)として取り扱われ、入居とホームヘルプがセットになっているわけではない。また利用者としてホームヘルプ業者を選ぶ権利があり、住宅会社はこれを拒否出来ない。一方、(24時間ケアである)「特別な住居」は入居とケアがセットになって認定される。
 1992年のエーデル改革以降、種々の理由により「特別な住居」は減少した。特にサービスハウスの減少が大きい。このため特別な住居の定義に含まれないシニア住宅などの建設が進められたが、これでは不十分だとして今年から認定によるサービスハウスのような形態が新しく導入された。対象は24時間ケアが必要な人ではない高齢者で、職員は24時間勤務していない。食事などは一緒に取るようなので、グループホーム形態ではないかと思われる。
2019年1月27日編集加筆。
 

何人、移民した?

 日本のマスコミは「スウェーデンは多くの移民者、難民を受け入れてきた」と書くことが多い。間違いではないが、数字は正しくないことが多い。たとえば2017年、スウェーデンは14万4489人の移民者を受け入れた。もちろんこの数字には難民申請者は含まれていない。しかしこの数字にはおよそ2万人のスウェーデン人が含まれていることに注意は払われない。なぜなら人口統計における移民者数とは国籍に関係なくスウェーデンで住民登録した人の人数である。一方、滞在許可や就労許可あるいは留学許可は移民庁によって許可されるが、北欧諸国からの移民は含まれない。なぜなら北欧諸国では許可を必要とせずに自由に移れるからである。この結果、2017年度中の移民者14万4489人の中で、スウェーデン人が1万9513人、他の北欧諸国から7575人、その他の諸国からは11万7401人である。
 2000年以降スウェーデン人の移民は年に1万6千人から2万人ぐらい、他の北欧諸国からは年に7千人から1万人ぐらいである。難民などは年によって大きく異なる。

家族人数と等価計算

どの国でも家計の可処分所得の比較を行っている。その場合問題となるのは家計の構成員の人数および年齢である。たとえば夫婦と子供一人の世帯は単身者の世帯に比べて必要な消費量はどれだけ多いだろうか。このためにスウェーデンでは消費単位という言葉が使われる。

スクリーンショット

この計算方法を使えば、夫婦と15歳の子供一人の消費は2.03(=1.51+0.52)になり、単身世帯に比べて2.03倍の消費が必要である。もし家族の可処分所得が4万クローナの場合、一消費単位あたりの可処分所得は19704クローナ(=40000/2.03)になる。家計の可処分所得などの比較においては、この計算方法は使われる。EUでもよく似た計算が使われているが、日本はOECDと同じく(年齢に関係なく)家族人数の平方根を使っている。この結果、日本の方が家族の人数効果を大きく取っている。

スクリーンショット1

日本がなぜこのような計算方法を使っているかは不明であるが、多分OECDで使っているからだと思われる(なおOECDの計算方法が最適だという理由ではなく、OECD諸国は統計が不十分な国も含むのでこのような簡易的な計算が使われると思われる)。

新年あけましておめでとうございます。


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今年もよろしくお願いいたします。


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Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
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