FC2ブログ

スウェーデンに居住する日本人

すでに1900年に3人の日本生まれの人(日本人?)が住んでいた。そして1930年8人、1950年70人と増えていった。現在インターネットで手に入る統計によると、1973年には日本国籍保持者は834人であった。そして2017年現在では2550人である。

図1

図2



表を見てみると、80年代後半に在留日本人は急増している。そして2012年から若干減少し、2016年から再び増加している。興味があるのは児童と高齢者の人数である。日本国籍を持つ20歳以下の児童は80年代後半に急増したが、その後減少しているが、この15年間では大きな変化はない。もう一つ大きな変化は高齢の日本人の増加で、2008年頃から急増している。2017年現在、65歳以上の日本人は全体のおよそ14%であり、この8年間で割合が倍増したことになる。

「日本は4番目の移民大国」は本当か。

「日本は4番目の移民大国」という記事があったので、OECD統計を調べてみた。たしかにOECD統計にはそのような数字がある。しかしOECD統計は各国からの報告に基づいているが、各国の移民の定義がバラバラであることは考慮されていない。たとえばスウェーデンやフィンランドでは居住期間が最低1年であるが、日本は3ヶ月である。このため国際統計は十分注意して読まなければならない。

国連によれば、migrantとは「At the international level, no universally accepted definition for “migrant” exists. The term migrant was usually understood to cover all cases where the decision to migrate was taken freely by the individual concerned for reasons of “personal convenience” and without intervention of an external compelling factor; it therefore applied to persons, and family members, moving to another country or region to better their material or social conditions and improve the prospect for themselves or their family.
The United Nations defines migrant as an individual who has resided in a foreign country for more than one year irrespective of the causes, voluntary or involuntary, and the means, regular or irregular, used to migrate. Under such a definition, those travelling for shorter periods as tourists and businesspersons would not be considered migrants. However, common usage includes certain kinds of shorter-term migrants, such as seasonal farm-workers who travel for short periods to work planting or harvesting farm products.」(International Organization for Migration, International Migration Law Glossary on Migration. 2011)

International Migration Outlook 2018によると、この数字は入国者数であって、出国者数を考慮していない。そして日本の数字は滞在が3ヶ月以上なので、入国者数(移民者)が過大評価されているのではないかと想像する(1年以内に出国しているのであれば、移民の定義を1年にすれば、滞在が1年未満の人は含まれなくなる)。

これに関連して自民党が作成した「「共生の時代」に向けた外国人労働者受入れの基本的考え方」にはとんでもない記載がある。
「「移民」とは、入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の 在留資格による受入れは「移民」には当たらない」

各国の移民の定義が同じであるとは言えないとはいえ、これは全くの間違いであり国際的な解釈にも反することである。一政党の発言とはいえ、法務省はこれが妥当だと思っているのであろうか。



スウェーデンの移民

スウェーデンの選挙が近くなるにつれて、スウェーデンに関する記事も増えてきた。最近、日経の記事を読んだ。相対的には、日経の記事は他の新聞よりも正確で詳しい。この記事は相対的に正確だが、気になる表現があった。「人口のうち、外国出身者や両親がともに外国出身という人の比率は17年に約24%に達した」

この数字は、「外国の背景がある者」という定義で、外国籍を持つ者、外国生まれの者、両親が外国生まれの両親から生まれた子供のどれかに含まれる者は「外国の背景がある者」に相当する。スウェーデンでは1994年からこの数字が公表されている。最新統計では24.1%(2017)であり、1994年に比べて11.2ポイントの増加である。問題はこの数字の判断である。残念ながら記事には比較数字が載っていないので、この数字が他の国に比べてどれだけ大きいか判断が難しい。EU統計を探したが、相当する統計は見つけられなかった。しかしEU統計によれば、スウェーデンの人口比の外国生まれの者はEUで9番目である。また外国籍に関しては16番目である。
なお各国ごとに移民の定義などは異なっているので、単純な比較は誤解を生む。たとえばスウェーデンやフィンランドは滞在期間は最低1年であるが、日本は3ヶ月である。なお国連などでは、「1年以上暮らす人」を移民としている。またスウェーデンでは留学あるいは外国での就労からスウェーデンに帰国したスウェーデン人も統計上は移民者にカウントされる(住民登録上の変更)。

北欧は離婚が多い

 「北欧は離婚が多い」とはよく言われる。しかしその内容には疑問が多い。まず第1に事実婚が多い国では、婚姻率あるいは離婚率というのはあまり意味をなさない。第2に人口学で使われる離婚率は「人口千人あたりの、一年間の離婚件数」を指し、時々マスコミが使う「離婚率」というのはあまり人口学では使われない。第3に一部のマスコミが使う「離婚率」というのは、「年の離婚件数」を「年の新規婚姻件数」で割った数字である。この数字はあくまで年間の離婚件数と婚姻件数の比較であって、「離婚率」ではない。

 国立社会保障・人口問題研究所の人口統計の数字をこの定義に従って再計算してみた。この定義による「離婚率」が高い国は以下の順である。日本では35%も離婚していて、これはそのような数字なのである。
1.ポルトガル 71%
2.デンマーク 69%
3.ベルギー 68%
4.スペイン 63%
5.チェコ 59%
6.フィンランド 56%
10. フランス 52%
12. スウェーデン 49%
21. 日本 35%

転倒事故

 スウェーデンでは毎年およそ千人が転倒事故で亡くなり、7万人が入院する。この多くは80歳以上の高齢者でその費用は110億クローナに達するとみられている。スウェーデンでは以前から転倒事故防止に力を入れており、今回、スウェーデン政府は家族などがどの様にして転倒事故を防止できるか、インターネットを使っての道具の開発を指示した。

The Swedish Family Care Competence Centre

転倒事故(社会庁、スウェーデン語)

私立学校で権力争い?

ストックホルム市の郊外にマニラ学校という聴覚障害者のための特別学校があった。しかし特別学校は廃止され、2013年から私立学校Campus Manillaとしてスタートした。このために希望者(主に裕福な家庭)から1500万クローナの資金を集めた。なお私立学校でも平等な入学システムを取らなければならない(学校監査庁の承認が必要)。普通は入学申請日およびすでに学校に通っている兄弟がいるかどうかが選考の基準になる。2016年、政府は難民の統合を強化するために特別選考基準を設けた。外国居住が2年以上の難民を特別枠で入学させるというものである。この学校はその特別枠を申請したが、入学したのは難民ではなく海外に居住していた裕福家庭の生徒であった。これが明るみに出て、教育監査庁および教育大臣が批判した。

この学校では昔から選考基準が明らかでないという批判があり、学校役員会、校長、父兄会の間で意見の違いがあったようである。今日の新聞で校長が解雇されたという報道があったが、校長に問題があったかどうかは不明であり、学校役員会はマスコミに対して一回も納得できる説明を行っていない。私立学校は昔から色々な意味で話題になっている(色々な種類の私立学校がある)。

Campus Manilla
プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
詳しいプロフィール

カウンター
検索フォーム
カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
RSSリンクの表示
リンク