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訪問看護

日本でも在宅看護あるいは包括ケアが話題になっているが、スウェーデンと日本の状況は異なる。スウェーデンでは在宅看護(在宅介護ではない)は医療に属し、県が行い、在宅介護は市が行っていた。このため医療と介護の連携が問題となっていた。1992年にエーデル改革が行われ、まず医療に属していたナーシングホームなどが市に移された。在宅看護に関しては市と県の合意にまかされることとなり、2014年にはストックホルム県を除くすべての県で在宅看護が市に移された(すでにエーデル改革によって1992年からおよそ半分の市では訪問看護は市に移っていた)。なおこの場合の在宅看護とは一般住居における訪問看護と特別な住居における在宅医療が含まれる。市が行う在宅看護には医師は含まれないが、医師は嘱託医のような形で参加する。どの様な形で統合するかは、県と市が話し合って決めている。

現在、スウェーデンの訪問看護は大きく分けると2種類存在する。一つは市の訪問看護で、二番目は医療を行う県の高等訪問看護である。一般的な訪問看護を行うのは市の訪問看護師であるが、医師は含まれない。高等訪問看護は県の病院を中心として行われる。県によって若干異なるが、高等訪問看護の特徴は3つある。第1に病院の老年科あるいは腫瘍科がベースになっていて、必要に報じて病院の救急を経ないで直接入院できる。第2は病院を中心として24時間の訪問看護チームが存在し、医師も参加している。地方の状況にもよるが、病院から車でおよそ30分以内が、その対象である。最近特に地方においては、第3の訪問看護が始まっているところがある。これは訪問看護助言チームと呼ばれる活動で、特に市の看護師や在宅で訪問看護を受けている人およびその家族に対して助言を行うチームである。このグループは緩和医療の可能性を広める役割も担っている(緩和ケアの一つの役割は家族などに対するサポートである)。
スウェーデンでは病院外、たとえば老人ホームや、ナーシングホームなども住居なので在宅看護である。これらの特別な住居ではナースは常駐している。また小さな市では特別な住居の医療と一般住居での医療(ナースまで)を統合して、訪問看護として提供している(ただし市の状況によって統合の仕方は異なる)。
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スウェーデンのe-health

スウェーデン政府はe-healthに力を入れているので、私が住んでいる県ではどこまで利用可能かチェックしてみた。個人番号と暗証番号でアクセスすると、以下の画面が出てきた。


スクリーンショット 2016-05-27


まず登録している地区診療所が出ていて、オンラインで診察の予約、変更が出来る。さらに処方箋、失禁用おむつなどの延長などもできる。またカルテの取り寄せも出来、誰がカルテを読んだかの確認が出来る。
個人番号を使って処方箋データベースおよび医薬品データベースににリンクしていて、処方の確認、最近購入した処方薬の確認も出来る。クラミジアテストの取り寄せも出来るようである。
以前に見たときはなかった内容なので、この数年でかなり内容が充実した。

看護師の国際移動

EUによると、種々の職業のうち一番国際移動が多いのは看護師で、次に医師、電気技師、教師が続く。
看護師に関してはルーマニアの看護師が外国で働くのが一番多く、2008年から2013年まで7120人が移住した(正確には外国の看護師免許を申請した)。次に多いのが、スウェーデン6585人でノルウェーが主な移住先である。他にはドイツ、スペイン、ポルトガルの看護師が外国で働いているようである。

スウェーデンは看護師不足を解決するため、派遣会社に頼っていたが、これが高すぎると批判があった。このため最近は上記の国々から直接看護師を雇用することが普及しはじめている。基本的な看護師資格は各自がすでに持っているので、後は半年のスウェーデン語コースに行くだけである。すでにダーラナ県、カールマル県、ウプサラ県などはこれらの看護師を雇用したそうである。

なおスウェーデンの医療は公的に行われているのが普通で、労働組合との間で労使協約が結ばれる。民間の医療機関でも同じで、外国の看護師だからと言って待遇が悪くなるわけではない。

ノルウェーで働くスウェーデンの看護師

スウェーデンの看護師不足はよく話題になる。今日の新聞によれば、現在2500名が不足していると言われている。しかし事はそう単純ではない。現在、スウェーデンで看護師として働いている人はおよそ12万人で、4万5千人の看護師が職を去り、3万5千人が定年退職した。また1万2千人の看護師がノルウェーで働いている。
ノルウェーで働く人が増えているのは給与と労働環境がよいことである。スウェーデンで看護師の基本給は24000-25000クローナであるが、ノルウェーでは35000クローナのようである。ただこの記事にはノルウェーの物価が高いこと、税引き後にはどれだけ残るかが書かれていないので、ただ単純な基本給の比較だけでは十分ではない。一般的には、数年間ノルウェーで働いてその後スウェーデンに戻る人が多いようである。なお北欧諸国は自由労働市場を形成しているので、それぞれの国民は自由に働くことが出来る(ノルウェー語はかなりスウェーデン語に近いので、言語上の大きな問題はないようである)。
毎年およそ1000名の看護師がノルウェーの看護師資格を収得し、現在およそ2万4千人がノルウェーの看護師資格を持っているといわれている。このうちおよそ半分がノルウェーで働いているといわれている。同様にしておよそ8千名の助産婦のうち、1200名がノルウェーの助産婦資格を持っている。
新聞記事によれば、ノルウェーの看護師の年間初任給はおよそ32万ノルウェークローナ(nkr)(10年の経験後38万nkr)、一般看護師の初任給は37万ノルウェークローナ(10年の経験後42万5千nkr)、専門看護師の初任給はおよそ40万ノルウェークローナ(10年の経験後46万5千nkr)である。なおこの給与はオスロのある国立病院の数字である。

精神病院のその後

設立当時、欧州で最大の精神病院の変化について、以前書いたことがある。今回近くに行くことがあったので、写真を撮ってきた。


DSCF1411.jpg

手前の建物は病院(私立老年科、県立地区診療所などがあって一つの病院ではない)で、奥の建物が元精神病院である。(このように「病院」という名前がついているが、エーデル改革以降、複数の医療機関が入っている例は多い)

DSCF1413.jpg

元精神病院を東側から見たところである。思ったより大きな建物で、カメラの画面に入りきらない。建築的にも貴重な建物ということで、外壁を残して完全に住宅化される。マンションの他にシニア住居、学生寮も出来るようである。

DSCF1412.jpg

元精神病院の手前には3棟、90世帯分のアパートかマンションが新築されるようである。

DSCF1414.jpg

南側の側面にはストックホルム市によって建設されたとの標識が壁にはめ込まれている。

DSCF1423.jpg

西側の建物の側壁である。マンションはRiksbyggenという会社が所有、管理を行う。すでに見学用の居室は出来ているようであるが、いたるところ工事中であった。

DSCF1425.jpg

北側にあるマンションの一つ。

DSCF1424.jpg

回りはすでに住居化されていて、マンションか賃貸アパートが並んでいる。

DSCF1426.jpg

北側にはすでに学校が出来ている。

DSCF1439.jpg

南側は病院の敷地だったと思われるが、建物の一つはすでに私立学校になっていた。

Riksbyggenの案内ページに詳しい紹介があります。


なお西側には県の地区診療所、民間の老年科、レントゲン課などがある。建物は県医療部の所有で、民間医療機関に建物の一部を貸し出している。スウェーデンではエーデル改革によって病床数が減ったので、建物を所有したまま民間医療機関に貸し出すか、元精神病院のように住宅会社に売却する例が多い。なお民間医療機関は県と契約を結んで、業務を行う。

医療情報の電子化

医療は各県によって運営されていて、各県が医療情報を提供し、予約などにインターネットが使われている。このたびこれが全国共通のポータル化されることになった。まずこのシステムを使ってできることは複数である。なお一部のサービスなどは電子証明書が必要で、すべての情報はカルテ法の適用を受ける。
1.ホームページを通じての一般的医療情報提供
2.電子メールで看護師に質問
3.電話で看護師に質問。
4.ホームページですべての地区診療所、救急科、病院、歯科、母子センターの住所、電話番号がわかる。
5.まだ部分的ではあるが、診療所などの顧客満足度などが比較できる。
6.診療予約、処方の更新
7.最近15ヶ月の処方箋を見る。
8.尿失禁、糖尿病における消耗品、処方に基づく栄養剤の注文。

患者ホテル

ストックホルムでは患者ホテルを建設した病院があるが、明日二番目の県立病院が患者ホテルをオープンする。あくまで対象は自己管理ができる患者かその家族で、患者の場合は主に退院あるいは手術を待つ場合になるようである。患者の場合、病院の入院費用(1日80クローナ)以外の費用はかからない。家族の場合、滞在費用は300クローナで、ほぼユースホステルと同じ費用である。なおその他の人は1596クローナで、普通のホテルと変わらない。

このホテルには医療関係者は勤務していないが、唯一の例外は出産する女性のためのユニットで、ここには看護師/助産婦が24時間勤務している。関係者によれば、患者ホテルの建設によって病院入院者のレベルをさらにコントロールできるようになるので、救急病院を建設するより費用対効果は高い。

患者ホテル

プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
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