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高校生のアルバイト

夏休みに働くというのは、スウェーデンの高校生にとって重要で、市も重要視している。夏のアルバイトが生徒の初めての就労経験で、自分の収入を得ることができる。本人がアルバイトを自主的に見つけるが、市も就労援助を行っている。例えばストックホルム市ではこの夏に8千人分のアルバイトを作り出した。大抵の場合、公園の管理、高齢者ケア、保育分野などでのアルバイトを3週間行う。給与は年齢ごとに異なり、16歳児で1時間当たり83.5クローナ、19歳児は122クローナである。もちろんこれらの収入は課税されるが、年間収入が1万8千クローナに達しないと思われる場合は国税庁に源泉徴収額の免除あるいは減額を申請する。
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教育における自由選択

スウェーデンではこの20年間私立学校が増え、株式会社の私立学校も認められている。もちろん他の国と同じように、株式会社の学校形態は大きな議論がある。しかし他の国との大きな違いは生徒の選抜が制限されていることである。芸術科などを除いて、テスト/試験することも認められていない(成績を選考基準にすることは認められている)。
今週、ある私立学校で、一部の申請者が除外されていることがわかった。このため、文部省では公民共通の待機リストから客観的な基準で申請者の希望に従って選ぶことを考えている(この結果、学校は生徒を拒否できない)。
なおスウェーデンは選択の自由制度を導入していて、公立も私立も同じ運営費用を市から受け取る。そして公立が無料である以上、私立でも父兄から学費を取ることは認められていない。

学校閉鎖

監督官庁が学校を閉鎖することは頻繁に起こるものではない。しかし今日、その決定が下された。閉鎖されるのは中学および高校を持つ全寮制の私立学校で、生徒数およそ170名、1896年の創立である。
この学校は年長生徒によるいじめが何回か話題になっていて、毎度改善策がとられたようである。しかし先週の週末にアイロンを使ったいじめによって年少生徒が火傷を負った。この事件はすぐに警察に通報され、月曜日には学校監査庁に連絡された。学校監査庁はこの火曜日に監査を行い、今日水曜日に「生徒の安全が保てない」という理由で学校閉鎖の決定を下した。学校は明日から6ヶ月間閉鎖され、生徒は実家に帰された。生徒の居住市の教育局が生徒の対応を決める。とにかく、これらのいじめは生徒の安全が問題であるだけに、監督官庁の行動も早い。6ヶ月後に、監査庁は再び調査して、学校の再開か閉校かを決定する(これは外庁である学校監査庁にゆだねられた権限で、この決定に対して本省は口を出すことはできない)。
なお28日の午後、学校の役員会は校長の解雇を決定し、後に新しい役員会が選ばれる予定である。

学校監査庁の決定に対して、生徒や父兄からは「集団的罰である」、「子供が学校を代えなければならないので影響が多きすぎる」などの批判もあり、父兄の一人は学校監査庁の決定を司法オンブズマンに訴えた。しかし新聞紙上で行われたインターネット投票では読者の83%が閉鎖を支持するなど、この学校に対する批判は大きい。なお学校監査庁は教育内容、いじめなどに関して学校の監査をする専門機関で、全国でおよそ400名の職員を持つ。

2013年9月7日追加
学校側は閉鎖決定の一時停止を行政裁判所に求め、9月6日裁判所はこれを認めた。その理由は、寮生活は学校法の監査対象であるか疑問というものである。なお学校監査庁は来週初めに上告するかどうか決定する。
行政法学者によると、学校を一時的にも閉鎖することは監督官庁の重大な決定であるが、下級行政裁判所がこの決定の一時停止を認めたことはユニークである。法的解釈に疑問があるのであれば、これは最高行政裁判所まで上訴される可能性があり、もし学校監査庁が敗訴すれば国は損害賠償を行わなければならない。
現時点においては、下級行政裁判所において閉鎖の一時停止が認められただけであり、次に閉鎖決定の適合性が問われることになる。そしてその決定によっては学校側か学校監査庁がさらに上訴することになる。

2013年10月2日追加
高等行政裁判所は第一行政裁判所と同じく、学校閉鎖は違法であると判断した。その理由は学生寮は学校監査庁の監査に含まれないという判断である。これに対して、与党である自由党の党首は裁判所がそう判断したのであれば、法律を改正すると意見表明した。

教育現場における労働環境改善

教育や介護の現場の労働環境は非常に重要で、スウェーデンでは主に労働環境庁が担当している。労働環境庁は2012年度400校の監査を終え、2000件の改善指示を出した。労働環境庁はこれをさらに強化すべく、2016年まですべての学校の30%に対して監査を行うプロジェクトを発表した。なおこの場合の労働環境とは物理的環境だけでなく心理的環境も含む。また監査は学校などの現場だけではなく、行政(市)も含む。なぜなら、環境改善は行政の決定を必要とすることが多いからである。

学校給食

スウェーデンでは義務教育における給食は無料である。学校法では、栄養豊かな食事を提供しなければならないという規定などがあるのみで、どの様に運営するかということは規定されていない。
5年前ぐらいから給食に関する興味が増え、質の向上が図られている。この一環として、給食をセンターで調理して各学校に配送するという方式から、学校ごとに調理する方式に変更する市が増えている。もちろん厨房などの改築が必要なのですぐ出来ることではないが、各市では中期計画を立てているようである。すでに学校での調理に変えたところでは、給食の質がよくなったと生徒の評判も良いようである。

選択の自由と私立保育園・学校の増加

最新記事「選択の自由と私立保育園・学校の増加ースウェーデンの例」がやっと発行されました。
雑誌名は『医療福祉研究』第21号(金沢大学地域創造学類社会保障研究室内 医療福祉研究会)です。

学校でのいじめなど

大津市の虐め事件が話題になっているが、スウェーデンの状況を少し調べてみた。これは中等教育までのすべての学校に適用される学校法第6章に規定されている。タイトルはいじめではなくもう少し対象が広い「侵害行為」である。これには暴力、虐めだけではなく、不当な手紙、電子メールを送ることも含まれる。
学校法によって、各学校は侵害行為を予防するための対策を講じなければならない。教員はそのような行為を知ったならば、これを校長にに報告し、校長は市に報告しなければならない。なお学校庁から、ガイドラインなどが公表されている。
生徒あるいは親が市の調査に不満ならば、学校監査庁に訴えることができる。学校監査庁はすべての学校(中等教育まで)を監査する国政機関で、生徒オンブードと呼ばれる特別職がおかれている。オンブードという言葉は代理という意味で、生徒オンブードは差別、いじめ問題などの広報に努めると同時に、侵害行為などを調査し、報告書を出す。生徒オンブードは学校あるいは市に対して意見を述べ、場合によっては市が生徒に賠償金を支払うことを要求することもできる。もし市が従わなければ、生徒オンブードは生徒の代理者として裁判に訴える。なお裁判において証明義務は市側にあり、市は侵害行為がなかったことを証明しなければならない。
法律的に興味があるのは、政府機関内に生徒の代理を務める役職が出来たことと、損害賠償は学校側が十分な対策を取らなかったと判断されたときに請求されることである。裁判か和解になるが、学校側が十分な対策を行ったということを証明しない限り、支払い責任がある。数年前、マルメ市のある学校に通っている生徒の代理として学校に対して今までで最高額である15万クローナの損害賠償請求を行うという記事が新聞に載っていた。なお最終的に、学校(市)側と生徒オンブードは賠償額について和解し、和解額は8万7500クローナであった。

すべての学校の監査を行うのは学校監査庁であり、定期および不定期に学校の監査を行い、最悪の場合学校の運営許可を取り消すこともある。また生徒、親は訴えを行うことも出来る。2011年訴え件数は2651件であり、このうち侵害行為は41%である。2651件のうち1536件について決定が行われ、およそ半分において学校あるいは市が批判されている。またこのうち54件について、市の損害賠償を決定した。

なお差別による虐めあるいは侵害行為に対しては、差別法が適用され、差別オンブズマンが対応する。

生徒オンブード
プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
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