保険か税か
日本では税よりも社会保険が適当であると、多くの関係者は言う。なぜなのか、増税は政治的議論が起こるが、社会保険料はほとんど議論なしに増やせるからである。事実、そのように動いてきた。たとえば1965年GDP比の国民負担率は17.6%で、社会保険料は3.8ポイントである。そして2016年には国民負担率30.6%、社会保険料12.4%に増加している。1965年に国民負担率における社会保険料率がおよそ22%であったものが、2016年にはおよそ40%まで増えている。問題は増えたことではなく、ほとんどその議論が行われずに増えているからである。厚生労働省を含む政府関係者が保険制度を好むのは、「隠れ増税」ができるからではなかろうか。
日本の税金と社会保険料割合の変化(GDP比)
OECD各国の税金と社会保険料の割合(GDP比、2016年)
OECD各国の負担を見てみると、社会保険制度を通じての負担は各国によって大きく異なることである。その中でも一番右端に位置するフランスは税負担はそこそこであるが、社会保険負担は一番大きい(16.7, 28.8)。日本の社会保険負担は平均よりも高いが、税負担はほぼ最低である(12.4, 18.2)。スウェーデンの社会保険負担はほぼ平均に近いが、税負担は大きい国の一つである(10.0, 34.1)。なお社会保険負担がほぼゼロの国が3つある。オーストラリア、ニュージランド、デンマークで、北欧諸国でもデンマークが大きく異なっていることは日本ではあまり知られていない。
2019年5月31日再編集追加
日本の税金と社会保険料割合の変化(GDP比)
OECD各国の税金と社会保険料の割合(GDP比、2016年)
OECD各国の負担を見てみると、社会保険制度を通じての負担は各国によって大きく異なることである。その中でも一番右端に位置するフランスは税負担はそこそこであるが、社会保険負担は一番大きい(16.7, 28.8)。日本の社会保険負担は平均よりも高いが、税負担はほぼ最低である(12.4, 18.2)。スウェーデンの社会保険負担はほぼ平均に近いが、税負担は大きい国の一つである(10.0, 34.1)。なお社会保険負担がほぼゼロの国が3つある。オーストラリア、ニュージランド、デンマークで、北欧諸国でもデンマークが大きく異なっていることは日本ではあまり知られていない。
2019年5月31日再編集追加