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子供の扶養費

2015年12月現在、22万5千人の子供(の親)が社会保険庁から扶養給付を得ていた。なお扶養給付費の最高額は月に1573クローナである。同時に扶養費の計算が正確に行われるならば、離婚した親からより多くの扶養費が得られると社会保険庁は指摘している。
扶養費の計算方式がアップされていた。数字は月あたりである。なお親の余剰額は個人によって異なる。
子供の必要額 3750クローナ
父親の(生活費を越える)余剰額 17341クローナ
母親の余剰額 7006クローナ
両親の余剰額合計 24347クローナ
養育費 2671=3750x17341/24347

これは母親が父親から得られる養育費は、子供の必要額に両親の余剰額に対する父親の余剰額の割合をかけた額になる。これを元にまず自主的な扶養費支払いの計算をして欲しいということである。

なお扶養給付費最高額1573クローナは社会保険庁によって支払われるが、父親はこの全額あるいは一部を社会保険庁に支払わなければならない。
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年金額

毎年所得統計が発表されていて、年金収入も含まれている。所得統計の年金収入は詳細すぎるので、他の統計から引用した。2012年の65歳以上の年金収入は女性で15万1000クローナ、男性で22万9000クローナである。なおこれは課税前の収入で、世帯ベースではなく個人ベースである。男女間で比べてみると、女性の年金収入は男性のおよそ3分の2である。これは女性がパートで働いている割合が高いこと、育児などで労働力に含まれない期間があることなどによるものである。

これらの年金収入は3種類に分けられている。まず公的年金、2番目は雇用主が保険料を支払う職域年金、3番目は個人の私的年金である。女性の方が男性よりも年金収入総額に占める公的年金の割合が高い。女性の場合75%、男性の場合68%で、これは男性の方が職域年金の占める割合が女性よりも高いためである(ほぼ倍である)。これらの構造的要因は最低保障のための保障年金の受給者にも現れている。女性の61%が保障年金を受給しているが、男性ではわずか15%である。
なお高齢者にとって年金以外に住居費補助も重要であるが、これに関しては別の機会に書きたい。

スクリーンショット 2016-02-05

スウェーデンの社会保障費

日本では社会保障費が過去最大になったというニュースが紙面を賑わしている。このような名目での費用比較は統計上意味がなく、スウェーデンではこのような使い方はされない(国民負担と同じく、なぜ財務省がこのような使い方をするかは理解に苦しむ)。そもそも社会保障費というのは事後統計によってわかり、年度予算において各項目ごとの予算はあるが社会保障費という項目があるわけではない。もちろんそれぞれの項目ごとの給付の増大は予算審議などにおいて議論される。
他のブログに書いたことではあるが、社会保障費などは名目価格での時系比較は行われない、中期では物価変動を考量した実質価格での比較あるいはGDP比の比較が使われる。また失業保険給付費用や傷病給付費用などの社会問題である給付と年金のような社会問題でない給付を同じように扱うことは出来ない。

なお国際的にはOECDの社会保障給付統計が使われるが、EUにおいては類似のESSPROS統計が使われる。また社会保障制度は国ごとにその構造が異なるので、最近では純社会支出という概念が使われることが多くなっている。このため、日本政府が公表している社会保障統計は十分比較の問題を考慮して読む必要がある(過去の社会保障費に関しては国立社会保障・人口問題研究所が公表している)。
ESSPROS統計によれば、2012年のスウェーデンの社会保障費はGDP比で29.9%で、課税されて税金として戻る分が3.5%あるので、これを差し引くと26.4%になる。もちろんESSPROS統計に日本は含まれていないが、OECD統計でも同様の計算が行われている。表面的な社会保障費は話題になるが、このように制度の違いを考慮した純社会保障費はあまり話題になってないような気がする。

給付にカードを利用

先日、大阪市で生活保護の支給およびチェックにカードを利用するというニュースが出ていた。よく似た制度はスウェーデンもあるが、その機能および目的は全く異なっている。

スウェーデンでは生活保護以外の社会保障給付は社会保険庁から行われる(年金の取り扱いは年金庁であるが、給付は社会保険庁から行われる)。生活保護は市の担当で、市が給付を行う。普通、受給者の銀行口座に振り込まれる。このため給付を受けるためには銀行口座が必要である。しかし何らかの理由で銀行口座がない場合はどうするのであろうか。この典型的な例は国の担当である難民申請者である。
難民申請者が施設で生活している場合は食事付きで、1日24クローナ(400円ほど)の小遣いが給付される(施設でない場合は71クローナ)。難民申請者は個人番号がないため、スウェーデンに銀行口座も開けない。このため今までは現金で支給していた。この給付をどの様にして効率化出来るかが話題になっていて、2006年からICAというスーパーマーケット系列のカードを使用している。今年だけで、10万枚のカードを発行するようである。最低条件はICA系列のお店だけでなく、他の店でもカードが使えることで、このためにマスターカードの機能が含まれている。
このカードには名前が記載されていなくて、移民庁の参照番号のみである。移民庁が支給を決定すると、これはオンラインでICAバンクに連絡され、カードの保持者は次の日から暗証番号を使ってこの額が使用可能になる。ICAバンクがカード保持者の個人情報にアクセスできるわけではない。移民庁のみがカードの参照番号に保持者の氏名をリンクできる。もちろんこのカードの使用は給付の簡素化、所持者の便利性であり、移民庁が給付額の使用用途などをチェックする必要性はない。
カードに名前ではなく参照番号のみが載ってるということはもう一つの利点がある。たとえば何らかの保護を必要とする人もこのカードを利用することによって、現住所を知られることはない(スウェーデンでは住民登録情報は公開なので、個人番号によって住所を知ることが出来る。なおカードには個人番号はのっていない)。ヨーテボリ市では何らかの理由によって銀行口座が利用できない人のためにこのカードを使用するというニュースが出ていた。
銀行はこれをビジネスとして行っていて、主な収入源は国が支払うカード発行料および現金を引き出す場合の手数料である。

なお大阪市で話題になっている「指導の必要がある」使用目的などは、スウェーデンでは全く話題になっていない。そもそも生活費を除く住居費などは領収書の提示によって支給される。生活費の額は国で決まっているが、その使用目的は直接チェックされない。たとえば一食減らして賭け事に使うあるいは酒を飲むのは、これが合法である限り市民である生活保護受給者の行動を制限できない。もちろんこの結果、自立した生活に影響することは考えられるが、これは定期的な面会などで助言できることである(例えば酒飲みであれば、酒を断つあるいは減らすコースに行くことが援助として決定される)。

他の記事も読んでみたが、この制度は問題点だらけで、三井住友カードと富士通総研が将来のビジネスにするための実験のような気がする。

積立年金の見直し

年末は色々と忙しい。今日は公的年金の一部である積立年金の積み立て先を見直した。自営業なので積立額は多くはないが、見直しすることにした。公的年金を管理している年金庁の自分の口座にアクセスする。認証にはいくつかの方法があるが、最近はMobilt BankIDという方法が普及していて、一番便利である。たとえば年金庁の場合、まず認証方法を選び、個人番号を入れる。そして携帯電話のMobilt BankIDというappを立ち上げ、個人のapp用の認証番号を入れる。そうすれば認証機能が使用可能になる。
年金庁の個人ページから積立年金のページを開き、興味のある投資種類、積み立て先を選び、積み立て先の運用実績を読む。最終的に2つあった積み立て先の一つを別のファンドに代えた。そして確認を行い、認証は再び携帯電話のMobilt BankIDを使う。今までであれば、カードあるいは銀行ごとに認証の方法が異なったが、このappができてからさらに便利になった(今までは公的機関へのアクセスのために電子認証は使っていなかった)。

年金額を減額?

日本でも知られているようにスウェーデンの年金制度には年金制度の安定のために自動均衡システムが含まれている。その年の支出が収入よりも多くなれば自動的に支出が減額される(現在は3年の平均値)。
今年は所得年金が2.7%減額されるが、大きな話題にはなっていない。まず所得年金は2.7%の減額、保障年金は0.2%の減額されるが、減税も行われる。またスウェーデンの社会保障上、重要なのは高齢者の住宅手当である。ある制限金額内において、年金などの収入が減れば住宅手当が増額される。
この結果、月あたりの年金額が2万クローナ以内の場合実収入は最高90クローナ増額になる。一方、2万クローナ以上の場合最高200クローナ減額になる。

年金制度の問題

社会給付

スウェーデンは就労率80%を目指しているが、このために「Number of full-year persons receiving social assistance and benefits」の時系的変化が分析されている。それぞれの給付の変化のみを追っていては全体の変化がわからないからである。この統計には、市の生活保護、失業基金の失業保険給付、社会保険庁の傷病給付、早期退職給付および労働市場庁の労働市場プログラムの参加者統計が含まれている。なおこの統計の単位は総人数ではなくて、年間人数である。たとえば生活保護を半年、失業保険給付を半年受けていれば、それぞれが0,5人分にあたる。
1990年からこの統計が取られているが、受給者が一番大きかったのは1994年の115万4千人で、これは20-64才人口の22,7%にあたる。その後、受給者数および割合は減少し、2012年現在受給者数80万人、人口比14,4%であり、これは1990年の割合とほぼ同じである。

社会給付
(統計庁資料より)
プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
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