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「女中論争」

 この7月1日から家事援助業務を購入すれば、その費用の半額が税金から控除できるようになった。たとえば家庭での掃除、調理、子供の送り迎えのために外部からサービスを購入すれば、本人が支払う費用は半額になる(控除は次年度に行われる)。このサービス業務はすでにいくつかの国で行われていて、興味を持たれた理由がある。第1には、掃除や子供の世話などの購入はすでに行われていたが、社会保険料などを払わないで裏の経済として行われることが多かった。この結果、消費税、社会保険料が支払われないだけでなく、働いている人も税金を払っていない。2番目には、これを正規の職業にすることにより雇用促進につながる。とりわけ、女性および教育が高くない人の雇用を増やすことが出来る。

 この案自体は1993年頃にある経済学者から出されたが、今まで「女中論争」という名で、導入に対する意見の違いが大きかった。特に左翼陣営にとっては、この制度は女性を家庭に押し込めるもので、制度を利用できるのは裕福な家庭だけであり、それに税金を使うべきではないという意見である。しかし社民党なども雇用促進につながるという観点から譲歩し、最終的には対象が高齢者であれば認めるという方針であった(よく似た制度は他の国でも導入されているが、「女中論争」が起こったのはスウェーデンだけである)。

 しかし去年の秋に政権を握った保守連合は、この制度の導入を公約に上げた。その対象は高齢者だけでなく、すべての住民である。これによって雇用を増やせるだけでなく、就労している女性も家事を軽減できるので男女平等にもつながるという考えである。新聞記事によれば、すでに実施しているフィンランドでは成功だと思われているが、デンマークでは批判も大きいと載っている。控除の方法について、さらに簡素化されるとは思うが、政府が思っているように機能するかおよびどれだけの雇用促進に結びつくか興味が持たれている。なおこれは高齢者ケアとは直接の関係はなく、家事援助などのホームヘルプの権利が無くなるわけではない。
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