スウェーデンの軽減税率

日本の消費税増税の関連で食品などの軽減税率が話題になっている。スウェーデンでも、2005-6年に軽減税率が話題になり報告書が公表された、食品などの軽減税率は非効率で、廃止するべきである。その代わりに住宅手当などによって、所得分配を行うべきであるという結論であった。
1990年7月から消費税が23,46から25%に増税された(内税として計算すれば19%から20%の増税)。目的は公的財政の安定化であった。1992年から消費税はもとの23.46%に戻されるはずであったが(その結果、物価は1.25%下がると見込まれた)、このかわりに食品およびレストランの消費税が18%に減額された。そして食品およびレストランの消費税は、1993年21%に増額された。その理由は公的財政の安定化である。
1996年から社会保険給付率が80%から75%まで減額され、これに合わせて食品の消費税は12%に減額された。この目的は所得分配の改善である。しかし1997-98年に社会保険給付率が80%に回復されても、食品の消費税率は変更されなかった。
90年代から他の分野(例えば文化)において軽減税率が導入され始めたが、同時に軽減税率が産業分野間の競争を歪め、事務費が高くなるという問題が指摘され始めた。たとえばハンバーガーをレストランで食べれば25%の消費税であるが、これをテイクアウトすれば12%の消費税である。

このため国会の税務委員会は政府に対して軽減税率の適用を再考することを提案し、政府は2002年に消費税委員会を設置した。消費税委員会は2006年に最終報告書を提出し、軽減税率を廃止し、その代わりに一般消費税を25%から22.9%に減税することを提案した。委員会の試算によると、一般消費税の減税により、消費税減税と同じ効果を持つ。この変更によって負担が増加すると思われているのは母子家庭と高齢者である。しかしこれらのグループに対してはたとえば住宅手当の増額で対応するべきであると提案している。
報告書においては興味のある分析がされている。所得が増えるに従って、食品の消費税減税によって得する割合は徐々に低くなるが、絶対額では増額する。たとえば所得が最も低い十分位グループでは消費税減額により、2,56%経済水準は向上し、絶対額では2009クローナに相当する。所得が最高の十分位グループは1,02%向上するだけである。しかし絶対額では4101クローナに相当する。なお母子家庭と高齢者は軽減税率の廃止によって、年におよそ400クローナ失う。
プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
詳しいプロフィール

カウンター
検索フォーム
カレンダー
03 | 2014/04 | 05
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
RSSリンクの表示
リンク