高齢者ケア職員増員

スウェーデン政府は、高齢者ケア職員の増員のために2015年7月から2018年まで補助金を出すことを決定した。補助金総額はおよそ70億クローナである。社会庁が支払い事務を行い、毎年政府に報告書を提出する。

補助金は市の高齢者人口に従って配分され、各市はこの範囲内において補助金を申請することが出来る。補助金は現場職員の人件費のみに使うことが出来る。各市は、市内の民間団体に対する支給にも責任を持つ。

なおスウェーデンでは在宅介護で働くために、公式の資格制度は存在しない。しかし社会サービス法において「適当な教育と経験」を持つ職員がいなければならないと規定され、現実には職員の多くは准看護師教育を受けている。もしこれらの教育を受けていない職員を雇用する場合には、質を保持するために職員に対して研修、指導を行わなければならない。

社会庁は、この補助金制度が市の高齢者ケアに与える財政的および質的影響について評価する。質的評価には高齢者、職員の意見も含まれる。特に高齢者に関しては、職員のアクセス、対応、安心感などが調査される。高齢者ケアにおける職種別、男女別、特別な住居/ホームヘルプ別の職員統計を作成する。

国家高齢者ケアクオリティ計画委員会

スウェーデン政府は国家高齢者ケアクオリティ計画委員会を設置した。将来の高齢者ケアにおいて質の向上を保障するために戦略的に重要な分野に長期的な開発を行う。その分野とは以下である。
1.質の向上と効率性の強化
2.予防およびリハビリの改善
3.職員の安定的供給
4.特別な住居の見直し
5.高齢者ケアの柔軟的決定
6.福祉技術の使用

報告書は2017年3月31日までに提出される。

ノルウェーで働くスウェーデンの看護師

スウェーデンの看護師不足はよく話題になる。今日の新聞によれば、現在2500名が不足していると言われている。しかし事はそう単純ではない。現在、スウェーデンで看護師として働いている人はおよそ12万人で、4万5千人の看護師が職を去り、3万5千人が定年退職した。また1万2千人の看護師がノルウェーで働いている。
ノルウェーで働く人が増えているのは給与と労働環境がよいことである。スウェーデンで看護師の基本給は24000-25000クローナであるが、ノルウェーでは35000クローナのようである。ただこの記事にはノルウェーの物価が高いこと、税引き後にはどれだけ残るかが書かれていないので、ただ単純な基本給の比較だけでは十分ではない。一般的には、数年間ノルウェーで働いてその後スウェーデンに戻る人が多いようである。なお北欧諸国は自由労働市場を形成しているので、それぞれの国民は自由に働くことが出来る(ノルウェー語はかなりスウェーデン語に近いので、言語上の大きな問題はないようである)。
毎年およそ1000名の看護師がノルウェーの看護師資格を収得し、現在およそ2万4千人がノルウェーの看護師資格を持っているといわれている。このうちおよそ半分がノルウェーで働いているといわれている。同様にしておよそ8千名の助産婦のうち、1200名がノルウェーの助産婦資格を持っている。
新聞記事によれば、ノルウェーの看護師の年間初任給はおよそ32万ノルウェークローナ(nkr)(10年の経験後38万nkr)、一般看護師の初任給は37万ノルウェークローナ(10年の経験後42万5千nkr)、専門看護師の初任給はおよそ40万ノルウェークローナ(10年の経験後46万5千nkr)である。なおこの給与はオスロのある国立病院の数字である。

プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
詳しいプロフィール

カウンター
検索フォーム
カレンダー
07 | 2015/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
RSSリンクの表示
リンク