看護師のスト

 給与改善を求めて、看護師(一般看護師、レントゲン看護師、助産婦など)のストが4月21日12時から始まった。13年ぶりのストである。看護師の90%以上が地方自治体で働いているので、交渉相手は地方自治体連盟である。今日から9つの県と11の市において3400人がストに入った。例えばストックホルムにおいては、いくつかの病院の救急外来は交代で週に2日ほど閉鎖になる。救急外来がストになっても生命に危険のある救急患者の受け入れは例外なく行われるようで、救急でない患者の受け入れが制限され、救急でない手術が中止になる。福祉、医療関係のストは長引く傾向がある。理由の一つはストに対する住民の支持が圧倒的に高いからで、今回も住民の85%がストを支持している。5年前には地方自治労がストをした。保育園は閉まり、ゴミの収集が停止され、病院は診断待ちの患者が廊下まで溢れた。にもかかわらず、住民の支持は84%もあった。(2008年4月21日記)

 ストは5月5日から第2波に入り、新しく4300人がストに入った。あわせて7000人の看護師などがストに入っていることになる。さらに第3波が計画されていて、16日2750人がストに参加の予定である。特にこの日からは市の高齢者・障害者ケアなどに雇用されている看護師がストに入る。看護師の雇用状況はスウェーデンにおける給料だけでなく、他の北欧諸国における給料にも大きく影響される。前回ストが行われた1995年頃には、ノルウェーにおける看護師の給料の方が高く、ノルウェーで働く看護師が増えた。その後、2000年頃になるとスウェーデンの給料が改善され、ノルウェーで働いていた看護師が戻ってきたらしい。しかし最近はふたたびノルウェーおよびデンマークで働く看護師が増えてきているらしい。去年には同様のことがフィンランドで起こり、給料が増えなければスウェーデンで働くと言ってストが行われた。

 5月28日、看護師組合と地方自治体連盟は合意に達し、6週間近くのストは終わった。3年間の労使協約が結ばれ、看護師の最低賃金は21100クローナ、最初の年の賃上げは4%、2年目3%、3年目2%などが決められた。なお新聞記事によると、スト1日あたり雇用者側は1100万クローナ分の出費が浮き、組合側は1日あたり600万クローナの出費が増えたということである。看護師組合執行部は今回のストにあまり乗り気ではなかったが、組合員の不満の増加および他の北欧諸国における看護師のストが続いたため、ストに賛成せざるを得なかったようである。結果については看護師のあいだで不満が大きく、新聞記事によると組合を脱会すると言っている人もいるようである。(2008年5月30日追記)


 
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まとめteみた.【看護師のスト】

給与改善を求めて、看護師(一般看護師、レントゲン看護師、助産婦など)のストが4月21日12時から始まっである。看護師の90%以上が地方自治体で働いているので、交渉相手は地方自治体連盟である。今日から9つの県と11の400人がストに入った。例えばストックホルムにおい?...

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