民活導入と福祉多元主義

スウェーデンにおいても民営化は政治論争になりやすい分野である。民営化、営利あるいは多元主義自体が問題なのではなく、どの様な形あるいは条件で民営化を行って、どの用に質の保障が行われるということである。日本においても、たとえば営利団体のグループホームは社会福祉法人の施設よりも質は悪いのであろうか。
同様にして株式会社形式の医療機関は医療法人よりも質は悪いのであろうか。答えは否である。運営形態の違いにより質の良し悪いが決まるのではなく、各団体における質の保障システムおよび行政の監査システムがどのように機能するかである。日本においても郵政の民営化を初めとして、大きく話題になっている。しかしあまりに単純な議論になってはいないだろうか。日本の論争を見ていると、何が目的で何が手段であるかが十分区別されてないようである。この結果、民営化を業務の効率的な運営のために利用するというよりも、民間市場にうまく業務が利用されていることもある。
今まで公的に運営されてきた業務はそれなりに必要性があったのである。問題は民営化した場合、たとえば公平性とか全国的な平等とかの原則がどのようにして守られるかである。「民間で出来るものは民間で」というのが標語のようになっているが、問題点は運営自体にあるのではなく運営の責任および計画性をどのようにして社会がコントロールできるかということである。先日も特別養護老人ホームなどの民営化に関する厚労省の意見を読んだが、さっぱり理解できなかった。一方では内閣府総合規制改革会議の意見も机上論すぎるように思える。(2003年9月3日記、2009年9月19日追記)

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