スウェーデンは離婚が多い(?)

先日ある雑誌を読んでいたら、 スウェーデンの家族制度は崩壊していると書いてあった。「家族の失敗」という概念は経済学における「政府の失敗」、「市場の失敗」という概念にゴロを併せ たもににすぎない。問題はどのように家族の役割が変化しているかということであるが、ここではふれない。「スウェーデンは離婚が多い」とよく言われるが、 これもどの様な統計を使うかによって結論が異なってくる。事実婚が多い場合、婚姻統計のみを使うことは現実の家族の姿を見るためには不十分であるが、いく つかの統計を調べてみた。

普通、離婚率というのは人口千人当たりの数字としてあらわされる。OECD統計によると、2008年スウェー デンは人口千人あたりの離婚率は2,3で、日本は2,0、アメリカ3,7である。統計庁によると、2006年に結婚 した人が将来に離婚する危険性はおよそ45%で、これは欧州内においてはほぼ平均である(なお日本はおよそ35%である)。2006年に離婚した人のう ち、およそ30%が結婚から5年以内に離婚しており、平均婚姻年数は12,2年であった(この数字は日本の方が短い)。また2006年現在、婚姻関係が 40年以上続いている夫婦は、4分の1以上になる。なお種々の理由によって、各国の離婚率は年によって変化し、このためどの年の数字を取るかによっても結 果が異なってくる。
日本で離婚率が話題になるときは別の数字が使われる。この数字は年間離婚数を婚姻数で割った数字であるが、問題はこれが何を表しているかである。この数字はOECDの統計表に含まれているが、あまり使われない数字である。

上記はあくまでも法律的な婚姻、離婚を表している。先進国に共通の現象として事実婚の増加が上げられる。スウェーデ ンは先進国の中で一番事実婚の割合が大きく、OECD統計によると成人の21%が事実婚で、婚姻は44%である。事実婚の成立および解消も含むと、人口比の婚姻率および離婚率は増えるが、残念ながらどの国でも事実婚解消の統計はなく、比較はほぼ不可能である。(2001年1月26日記、2013年10月27日追記)
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