マリア法

 福祉分野のサラ法と同じく、医療においても報告システムが存在する。医療事故あるいは手順違反などを医療福祉監査庁へ報告する規則が、いわゆるマリア法である。
 1936年8月、ストックホルムにあるマリア病院で麻酔剤と消毒剤を取り違え、4名の患者が死亡した。この結果、医療事故などを監督官庁に報告する制度が1937年から出来た。一般的にはマリア法(Lex Maria)と呼ばれているが、独立した法律ではなく関係法の一部をなしてきた。現在、患者安全法に報告の義務が明記されている。

「医療において、患者が重大な事故か病気に遭うか、そのような危険を負ったならば、ケアの供給者はこれを医療福祉監査庁に報告しなければならない。------」

 さらに職員の報告の義務が定められている。
「医療職員に属するものは、医療を受けた際に患者が重大な事故か病気に遭うか、そのような危険を負ったならば、ケアの供給者に報告しなければならない」

 この法律の運用ガイドラインとして、「マリア法による報告義務に関するガイドライン(SOSFS 2005:28)」が社会庁より施行されている。マリア法の目的は、客観的な調査を行って同じような事故がふたたび起こらないようにその経験を普及させることと、患者および家族になぜ、そのような事故が起こったかを知らしめることである。対象はあくまでも避けることが出来た重大な事故か重大な病気である。ガイドラインにおいては、社会庁への報告の義務がある例が挙げられている。患者にとって重大な影響を及ぼした転倒事故、処方の間違い、処方量の間違い、医療事故、間違った医療情報、不適当な医療指示、医療機器の間違った使用、保全、感染、組織内あるいは組織間の協力における手順違反などで、2006年からはさらに退院から4週間以内の自殺も報告に含まれるようになった。
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