所得税と消費税

日本での消費税論争に伴い、「スウェーデンの消費税は25%」が話題になった。欧州における消費税の最低は15%で、最高が25%である。税金が高くても国民は満足というのは、どちらかというと地方所得税と社会保険料に言えることで、財源論としては他の税金、社会保険料も含めた税制度の中で議論すべきである。税制度および社会保障制度は各国の政治、考え方、歴史などによって左右されるが、他の国と比較することによって日本の特異性も浮かんでくる。例えば課税前の不平等度は日本とスウェーデンではほぼ同じであるが、課税後の可処分所得を見てみるとスウェーデンの不平等度が一番低くなり、日本の課税制度は不平等度の低下に果たす役割ははるかに低い。この原因の一つは公的収入に占める所得税の大きさがスウェーデンだけでなく、OECD平均よりもはるかに低いことである。消費税増税も必要だと思われるが、同時に所得税などのあり方も考える必要がある。また増税が必要なのは国か地方自治体かの議論も必要である(地方自治を強化するためには、財源論の議論は必要である。同様にして各分野における国と地方自治体の役割分担の議論も必要とされる)。

 高齢者ケア、医療、保育、大学以外の教育などの現物給付は地方所得税、社会保険などの現金給付は社会保険料が原資である。どちらかというと、国民が高負担の恩恵を被っているのはこれらの税および社会保険料であって、消費税ではない。消費税はそのまま国の収入になり、使用目的が決まっているわけではない。あくまで国の歳入の一部である。


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GDP比の公的負担率

スウェーデンの公的負担率はこの30年間の大きな変化はない(なお公的負担率とはGDP比の税金、社会保険料の割合を指す。日本政府が使っている国民負担率と区別するためにこの表現を使う)。
公的負担という観点からは、現在の基礎が築かれたのは60年代から80年代初期である。1960年頃、スウェーデンとOECD平均の公的負担率はほぼ同じであった。

消費税と地方所得税

上の表は一般商品に対する消費税率および所得に対する名目の地方住民税率の変化を表している。どちらも60年代から80年代に増税され、この25年間は大きな変化はない。
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