ルシア祭

一番スウェーデンらしい催し物の一つにルシア祭がある。ルシアの語源はLux(光)であるが、直接には殉教死したシシリア島の聖ルシアからきている。伝説によると、聖ルシアは結婚のための持参金を貧乏な人たちのために使ったため、不幸な死に方をしなければならなかった。伝説の方はさておき、他に重要な理由がある。13日は旧暦で冬至に当たり夜がもっとも長い日である。さらにもう一つ重要なのはキリスト教の断食期間が13日に始まるということである。だから昔は13日には朝(3、4時頃)から、それにそなえて大食をした。

ルシア祭といえば、pepparkaka(ジンジャー入りのビスケット)、lussekatt(サフラン入りのパン)などが思いうかぶ。pepparkakaというのはもともと1200年代に十字軍の遠征とともに、中近東から伝わってきた。これは昔honungkakaと言っていたことからみて、高価であったハチミツ入りだったからこそクリスマス頃に食べたと思われる。lussekattもルシアに食べるが、言い伝えによると悪魔は猫の形を借りて出てくるといわれているので、猫の形をしたパンを食べるというのは魔除けかも知れない。

白いドレスを着たルシアが登場するのは1800年代に入ってから、ヴァルムランド地方であった。この伝統も1850年代にはウプサラやルンドなどの大学町では県人会を通じて伝わり、1920年代になると教会や禁酒運動組織などがルシア祭を催し始め、徐々にスウェーデン全国に伝わった。初めこのルシア祭がヴァルムランド県人の郷土愛の現れであったごとく、外国に住むスウェーデン人にとっては、ルシア祭はスウェーデン人である心の拠り所となったのである。



ヘルシングボリー市マリア教会
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