衆議院選挙が終わって

衆議院選挙が終わったが、制度の違いとは別のおかしな意見も出ているようである。

新聞記事によると、日本維新の会は自治体の首長と国会議員の兼職を禁じる地方自治法改正案を国会に提出するようである。橋下氏は「自治体の長が参院に入れば、政党の抗争と距離を置いて議論できる」とメリットを主張しているらしいが、首長も国会議員も片手間で出来る仕事ではない。国会というのは国会議員の議論の場で、首長の意見が必要なのでれば他の場がある。そもそも国会議員は誰を代表しているかという民主主義上の大前提がある。それくらい国会で議論したいのであれば、首長をやめて議員に立候補したらいいと思う(その点、石原前東京都知事の方が筋が通っている)。
スウェーデンはどうなっているか調べてみた。国会議員は365日24時間国会議員として働くことが前提で、地方自治体の首長もフルタイムの勤務である。法律上の禁止規定はないようであるが、誰も兼職できるとは思っていないし、そのような議論も聞いたことがない。

言葉のあやか本意か知らないが、おかしな発言が載っている。猪瀬新東京都知事が、「民意というものは一番尊重すべきもの。これから都議会と話をする時も、民意を僕が代弁しているんだということを尊重していただきたい」と言ったというのだ。過去最高の得票で選ばれたというのは、民意の表現のひとつであることには違いない。しかしこれと、「都知事が民意を代弁している」ということは別の話である。議員は誰を代表しているのであろうか。そもそも首長は多岐にわたる分野の業務を実施するために選ばれているのであり、各分野の政策ごとに住民の判断を得ているのではない。考えようによっては、かなり傲慢な意見である。
少し政治論的な話になるが、表に現れているのはすべて特殊意思であって、民主主義の神髄はここから一般意志を導き出すことである。そのために政治家が議論をするのであって、首長の意見=民意ではない。これは全く民主主義を理解していない言葉で、何か独裁者の言葉のようである。
議会と首長の「権力の二重性」は政治学ではよく知られた問題で、究極的には誰が住民を代表しているかおよび議会の役割は何かにもつながる問題である。

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