医療ID

いわゆるマイナンバー制度が閣議決定された。マイナンバーは(少なくとも現在のところ)税金や社会保障のみに適用され、医療分野は含まれていない。このため厚生労働省は医療 IDの作成を考えているらしい。マイナンバー制度とは別に医療IDの必要性がわからない。どうも制度の問題が十分区別されてないように思える(内閣府と厚生労働省の間でどの様な調整があるか、どの様な政治的駆け引きかあるかは不明である)。特別法の必要性と医療IDの導入とは別個の問題である。問題は道具そのものではなく、道具を使って集められた情報の管理である。

制度として3つの問題があるように思う。第1はどの様な番号を使うか。第2にそれぞれの分野あるいはデータベース内における番号の使い方および個人情報保護。第3に異なった分野間の個人情報連携の問題。個人情報保護に関してはそれぞれの分野ごとに、番号の使い方および他の分野との連携に関して法律を作る必要がある。どこの国でも医療関係情報の保護は厳しいが、これと同じ番号か異なる番号かは関係のないことである。重要なのは上記3つの問題の区別で、同じ番号を使っていても情報管理が厳格ならば問題とはならないのである。医療でも本人確認を行う必要があり、またガン登録などに他の登録情報を研究のために利用することが出来る。

スウェーデンの個人番号制度で重要なのは個人番号は住民登録に連携していることである。言い換えるならば、スウェーデンの個人番号制度は一元化されたひとつの閉じたシステムではなく、個人番号(住民登録情報)をベースにした分権型システムである。そして分野ごとの使用および分野間の使用に関しては法律においてその方法、範囲が定められている。
日本のマスコミは、今までに何回かスウェーデンの個人番号制度に関する記事をのせたが、あまりにも一元化という言葉のみが注目されて、この分権型システムであるということには注意を払ってないように思える(あるいは意図的に書いていない?)。

医療を受ける権利

資料)医療・福祉研究2008年号 奥村芳孝『スウェーデンに社会保障カードはない』
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