民営化に伴う質の変化

福祉および医療における民営化(正確には民間委託)については、いくつか記事を書いているし、このプログにおいても不定期に書いている。この問題が難しいのは大きく分けて2つの理由がある。
1.福祉、医療における民営化問題は、スウェーデンの政治においていちばん対立の大きい問題であり、様々な意見がある。質の保障ということは言われているが、「必要なのは運営形態の比較ではなく、運営団体間で質の違いがあるかどうかである」ということで、系統的に調査されたことはなかった(社会庁は自主的に評価などを行うが、民営化の比較の問題は問題が大きいために政治的な指示がなければ動けないように思える)。あまりに批判が多いために、政府は去年高齢者ケアにおける公営/民営の比較を初めて行った。結果的には予想されるもので、民営の方が良い面も悪い面もあるので、一概にどちらが良いとも悪いとも言えないということであった。
2.比較の困難さ
比較の方法論的にも困難が伴う。まず何を質に含むかと定義し、これをどの様に計測するかというのがひとつの問題である。たとえば国政レベルでは職員配置基準は数字としては存在しない。その理由として一律的に決めるのは不可能であるという理由である。質というのはもっと多面的なもので、ひとつの指標のみに固持するのは適当ではないという意見も多い。もっと業務の全体像を見据えた総合的な判断が必要とされる。もちろんこのためにその分析、判断が出来る能力および経験を持った職員が必要なのは言うまでもない。またこれらの比較をどの様に紹介し、利用者が参考にできるかということもまたひとつの問題である。なおこれらの調査は地方自治体あるいは国の役目で、部分的に外部委託することはあっても行政機関が調査を行う。日本でよく使われる第三者による調査というものはない。
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