臨時選挙

12月3日、国会は社民党政権が出した来年度予算案の審議を行った。保守党が反対することは予想されたが、第三ブロックであるスウェーデン民主党がどう行動するかが不明だった。しかしスウェーデン民主党は前日、保守党と共に与党案に反対することを明言した。与党議席数159,野党議席数141,スウェーデン民主党が49議席なので、この党がどう行動するかによって決議の行方が決まる。野党側およびスウェーデン民主党も予算案を提出していて、まず最初に野党案と民主党案の賛否が問われ、野党案が選出された。次に野党案と与党案が審議され、スウェーデン民主党が野党案に票を投じたことによって、野党案が採決された。
この結果、ローベン首相は3月に臨時選挙を行うことを決定した。スウェーデンでは臨時選挙が行われることは珍しく、1958年に行われて以来、57年ぶりである。

なぜこのような結果になったか、色々な説明があるであろうが、いくつか上げることが出来る。
1.社民党が少数与党だったことも、他の保守政党と協力したこともある。しかし90年代に保守4党が「同盟」を作って以来、保守政党は「同盟」内の絆を強くし、社民党などと閣外協力することが少なくなった。また保守4党の中では穏健党以外は小さな党で、大きい穏健党についていた方が安心であるという理由も見逃せない(他の三党の存在理由は?)。これがスウェーデンのブロック政治をさらに強化したことにつながる。
スウェーデンのブロック政治が社会の新しい変化について行けないという批判は前から存在し、世論的に見てもブロックを超えた協力が望まれている。そしてこのブロックを超えた協力は、地方自治体ではごく普通で、穏健党と社民党が協力している市もある。

2.選挙結果が明らかになったときから、ロベーン首相はブロックを超えた政治に協力を求めていた。しかしながら、保守連盟は全く興味を示さなかったようである(各政党代表との会談において、何が話されたか公表されてはいないが)。社民党と保守各党との争いは「砂場での争い」だと言われたりして、一般市民だけでなく、地方自治体の政治家からも批判が大きい。

3.保守連盟の中で穏健党以外は小さな党で、党内での党首の評価は大きくない。また最大野党の穏健党の党首は選挙での大敗を受けて辞職し、現在財政担当が代理を務めている。このため、穏健党内にも他の保守政党内にもビジョンを持って保守連盟を引っ張っていける政治家がいない。このため、対立構造の中でしか考えられないのではないかと想像する。


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