特別な住居の所有と運営


スクリーンショット 2016-01-08


90年代以降、高齢者のための特別な住居における民営化は増えている。日本でもよく似た議論があるが、これを所有と運営に分けてみると、その違いがよく分かる。まず伝統的な形は市が所有して同時に運営もしている形態である(1)。そして90年代に(2)が出始めた。建物自体は市の住宅公社などが所有し、入札などによりその運営を委託するものである。そして一部民間団体/会社が所有し、運営も行っている例が(4)である。大都市などでは教会系などのNPOが特別な住居を運営してきた伝統がある。この場合は、この施設は何人分という形で、市と契約する。市は契約書にしたがってその費用をこの会社/団体に支払う。家賃はこの会社/団体に直接支払う場合と、市に支払う場合がある(なお選択の自由性を導入している市では若干プロセスが異なる)。
最近もう一つの形態が出始めている。これが(3)の形態である。建物の所有は民間住宅会社であるが、特別な住居としての運営は市が行っている。なぜこのような複雑な形態を取るのか。いくつかの理由がある。

1.将来的に特別な住居は改築の必要性があり、売却することによりその改築費は住宅会社の負担になる。また市では売却することによりまとまった収入が増え、これを市の住宅会社所有の一般住居の改築に使うことが出来る。
2.特別な住居を売却すれば、その市の特別な住居は減少するのではないかと思われるが、そうではない。この売買において市はこの住宅会社と交渉を行う。もちろんその交渉内容は市によって異なる。一般的には、市はこの民間住宅会社と特別な住居の長期リース契約を行う。たとえば20年間の長期リースである。民間会社にとっては仮に改築の必要性があっても、長期リースであるので安定した収入を得ることができる。市にとっては売却により一時的な収入が得られ、長期契約により社会サービス法による特別な住居の提供義務を果たすことが出来る。市によってはこの売却に住宅建設の許可条件を追加する場合もある。これによって民間会社も市も利益を得る。大事なのは入札が公平、オープンに行われることである。なお市の住宅公社は「ビジネス的」に運営することが法律で決められている(何年にもわたって赤字運営は出来ない)。
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