地域包括ケア

 最近、地域包括ケアという言葉が日本で話題になっている。著者の所にも、ある人から質問があった。先ず、日本とスウェーデンでは大きく制度が異なる。
 スウェーデンでは、福祉は市、医療は県に財源および供給責任がある。そして行政機関は、一番最適な運営形態を独自に計画する。国がモデルを作るわけではない。今までは、市が独自に福祉地区を作り、福祉業務の分権化を行っていた。同様にして、県は地区診療所を地区別に行っていた。このように地区別にすることにより、住民がコンタクトするのは区の担当課(者)であり、地区の地区診療所である。
 しかしながら、この制度は崩れようとしている。保守系与党は行政が決めるよりも住民が決めることが良いという観点から、選択の自由制度を導入した。たとえばどのホームヘルプ会社や地区診療所を選ぶのも自由である。このため、地域の包括的ケアとしての医療および福祉の連携が難しくなった。
 医療と高齢者ケアの連携は例えば、訪問看護と訪問介護、病院から退院時における介護/看護の連続性などが典型的な例である。県と市が覚え書きを作って連続性の維持に努めている場合もあるが、選択の自由性の導入により連続性の維持が複雑になっている。さらに経済的に見ても、選択の自由制度が社会的に効率的であるとは限らない。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Taro

Author:Taro
OKUMURA CONSULTING社代表
Sweden

スウェーデンの社会政策などを日本に紹介する仕事をしています。
詳しいプロフィール

カウンター
検索フォーム
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
カテゴリ
RSSリンクの表示
リンク