社会保障の無駄

 新聞記事によると、民主党の前原誠司政調会長は10日、鹿児島県での講演で、「消費税が上がることだけが議論されているが、社会保障の中にも無駄が多い」と述べ、生活保護受給者の増加に触れた。「年金受給者に比べて生活保護の方が受給が高い。今までのあかを取りながら既得権益を退治する」ために制度の見直しが必要だと述べたようである。
 生活保護受給額と一般人の生活レベルとの問題については、以前、審議会に報告書が出された。今は少し忙しいのでその報告書まで目を通す時間がないが、これは安易な表現である。そもそも生活保護額は必要性によって決まるが、年金などの支給額は必要性とは無関係である。就労可能者の生活保護額の決定に際しては、もっと職業安定所などと協力して、就労戦略を進める必要があるが、生活保護受給者のおよそ半分を占める高齢者に関しては対策は異なる。高齢者の生活保護受給の原因は年金制度などの問題に帰することが多い。このためその解決は受給の原因となる年金制度の問題点を解決することであって、生活保護制度の問題ではない。
 最近、生活保護受給者の増加のため、安易に生活保護制度を批判する政治家や(一部の)研究者がいるが、人気取りのような批判は慎むべきである。もちろん現在の生活保護制度にも医療給付や受給権の確認のような問題点もあるので、これらは改善されなければならないが、生活保護制度の問題点と他の社会保障制度の問題点は区別するべきである。とにかく最大の問題点は、生活保護受給にいたる問題点の解決である。
 
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